伝統工芸品「博多人形」
博多人形の題材は美人もの、雛人形、五月人形、歴史もの、干支ものなど多岐にわたり、その意匠も趣も様々です。
その始まりから400年以上に渡って伝えられた匠の技を、現代のセンスで形にした博多人形が皆様の生活に潤いをあたえます。
博多人形ができるまで
博多人形ができ上がるまでには、伝統的技法によるいくつもの工程を必要とします。
土ねりから、面相の工程まで、一人の人形師が20~60日の時を費やし精魂込めてつくりあげます。
あくまでも手作りの伝統を守り、伝統工芸品としての技術の向上に力を注いでいます。
一、土ねり
福岡近郊から掘り出した粘土を乾燥、粉砕、 などをした後たんねんに練り上げます。
二、原型
構想を練り、デッサンしたものに基づいて原型を つくります。粘土に、頭、胴、手足などを 彫るように仕上げていきます。
三、型とり
原型から石膏で型をとります。人体の姿が複雑な作品ほど一体を部分的に数個 あるいは、数十個に分けて型取りをおこないます。
四、生地づくり
原型からとった石膏型に、よく練り上げた粘土を、 型に貼り付けるような感じで、 押し詰めていきます。
五、焼成
むかしは松材を燃やして人形を焼いていました。今はほとんど電気窯、ガス窯で焼いています。
六、彩色
人形を窯から出した後、胡粉などで、肌の部分を塗り、次に着物の模様や 帯などの部分をかきこんでいきます。
七、面相
面相筆を用いて人形の顔の部分をかきこんでいきます。「口紅入れ」「目入れ」「まゆ毛かき」などを行います。
八、完成
実写性に富んだ「美人もの」と呼ばれる博多人形の出来上がりです。